紛らわしい単語 Barco, yate, buque...
- spainlabo
- 12 nov 2021
- 3 Min. de lectura
Actualizado: 13 nov 2021
一口に「船」といっても、いろいろな種類の船があります。スペイン語では何というのでしょうか。

なんでもBARCO
「船」と言うときに最もよく使うのはおそらく barco でしょう。まず紛らわしいのが、 barco と barca の違いです。
Barco:一般的に「船」
Barca:小舟(ボート、釣り船・渡し舟など)
例文:
バルセロナからマヨルカまで友達の船で行った。
✘ Fuimos de Barcelona a Mallorca en una barca de unos amigos.
✅ Fuimos de Barcelona a Mallorca en un barco de unos amigos.
手漕ぎボートをレンタルして湖でボート遊びをした。
✘ Alquilamos un barco para remar por el lago.
✅ Alquilamos una barca para remar por el lago.
バルセロナとマヨルカ島は200㎞以上離れているので、barca(小舟)で移動するというのは普通考えにくいですね。
上位語と下位語
単語には意味の範囲が広い上位語(hiperónimo)と、範囲が狭い下位語(hipónimo)があります。わかりやすい例を挙げると、「フルーツ」のカテゴリーなら fruta が上位語で、naranja や sandía がその下位語になります。
「船」のカテゴリーでは、barco は文法的に上位語で、barca や yate などがこれに含まれる下位語になります。
Barco の同義語には “embarcación”、“buque”、“nave”、“navío”、“bajel”(文語)があり、いずれも上位語です。
では「船」のカテゴリーの下位語にはどんな船があるのかですが、それをまとめたのが下表です。
呼称 | 説明 |
Barca | ボート、釣り船・渡し舟などの小舟 |
Lancha | ランチ、はしけ;エンジン付きボート |
Velero | 帆船(総称)➡風力で動く帆船ですが、小型ヨットをのぞけばたいていエンジンがついています。 |
Vela | 帆船、ヨット |
Yate | レジャーボート、クルーザー |
Catamarán | カタマラン、双胴船 |
Ferri | フェリーボート = transbordador |
Crucero | ①クルーズ船 ②巡洋艦 |
Carabela | カラベラ船(大航海時代の3本マストの中型帆船) |
Nao | 船を意味する古語=nave |
Corbeta | ①コルベット艦 ②18-19世紀頃のフリゲート艦より小型の海軍帆船 |
Fragata | ①フリゲート艦 ②18-19世紀頃の海軍高速帆船 |
Galeón | ガレオン船(15世紀頃~近代におもに新大陸との貿易に使われた大型の帆船) |

Una lancha
実際の使い分け 次に、これらの名称を実際どのように使い分けているのかですが、船舶の呼称について船舶操縦免許に関する法律では次のように定められています。
船の全長(eslora)が 2.5m以上のものを barco と呼ぶ。そのうち、全長24m未満のものがembarcación、24m以上のものが buqueである。
とはいえ、これは免許に連動した厳密な定義であって、「あの船」と言うときに全長何メートルかまでは考えません。感覚的に、普通の船には embarcación や barco を、特に大きな船には buque を使います。
レジャー用ならYATE
全長による呼称分類に当てはまらないのが yate です。全長に関係なく、使用目的がレジャーである船は yate に分類されます。つまり、全長7メートルであろうが40メートルであろうが、帆(vela)がついていても、ついていなくても、レジャー目的であれば yate として船舶登録されます。
余談ですが、yate は船体に入れる登録番号(車のナンバープレートにあたる)が 6ª か 7ª で始まります。バケーションシーズンにビーチの沖や入り江で錨を下ろして停泊して(fondear)いる船の船体を観察すると、たいていこれらの番号で始まっています。

有名スポーツ選手や芸能人が地中海でのバケーション中に、船上でくつろぐ姿がよくパパラッチにとらえられたりしますが、あのタイプの船が典型的な yate です。

Un yate(クルーザー)
船の名前はイタリック体で表記???
船の話のついでに、ortografía に関して付け加えておきます。
RAEのルールでは、スペイン語のテキストで外来語(extranjerismos)を使う場合、イタリック体(en cursiva)か、それが無理ならカッコでくくって(entre comillas)表記することとされています。ただし、固有名詞はこのルールの対象外なので、正体(en redonda)で表記します。
以前は Titanic のような船舶の名前や、Copito de Nieve (バルセロナ動物園にいた白ゴリラ)のような動物の名前をイタリック体で表記していましたが、2010年のRAEの表記ルールの変更に伴い、固有名詞は正体(先頭は大文字)で表記することになりました。ですので、船についた名前はイタリック体にする必要はありません。
(2021年8月6日現在の情報に基づきます)
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